10分でできる!WSL2でWindowsにLinux開発環境を作ろう!

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WindowsでMacと同様のLinux開発環境を作るには、WSL2というソフトウェアをインストールする必要があります。 WSL2は無料で使えて簡単にインストールできます。 Linux開発環境がWindowsにインストールできれば、WindowsでWebシステムについて勉強したり、仕事でアプリケーションを開発することも可能になります。 これで、あなたのエンジニアとしての未来は開かれました。
目次
こんにちは。ナオツです。
本日は、WindowsでMacと同様のLinux開発環境を作る方法をご紹介します。 散々他の記事でWindowsを勧めてきて、具体的な記事を書いてませんでした。 遅くなってすみません…
今日はしっかり手順を追ってご紹介いたします。
Linux環境とは
Linux環境について説明します。 プログラミングの目的は、サーバーを構築することです。
フロントエンドサーバーにしてもバックエンドサーバーにしても、サーバーとは コンピューター でした。
OS (Operating System)
コンピューターには、それ自体を制御するためのOS(Operating System)がインストールされています。 たとえば、
- フォルダーを開いてファイルを探す
- パスワードを入力して、PCにサインインする
- 日本語入力と英語入力を切り替える
などなど。 書き出したらキリがありませんが、コンピューター全体を制御する機能が搭載されています。 みなさんがよく目にするOSは、
- Windows 10 OS
- Mac OS
- Chrome OS
- iOS(iPhone)
- Android OS
などです。 これらは個人が使うコンピューターとして洗練されたOSです。
Linux OSは無料で使える
LinuxもOSのひとつ です。
Linuxを個人で使うこともできますが、とくにサーバーとして使われることに洗練されています。 国内のサーバーOSの80%がLinuxである、という統計結果も出ています。 残りはWindowsサーバーなども使われているようですが、有償なので企業で使うには稟議が必要です。
その点、 Linuxは無料で使えます。
プログラミング言語がたくさん発表されていますが、これらの言語で作られたアプリケーションはLinuxで動くことを前提としていることが多いのです。
つまり、Linux環境がないと開発環境を構築できないと言っても良いでしょう。 Macがプログラミングする上で人気なのは、標準でLinux環境が搭載されているからです。
WSL2のインストール
Windowsは、初期状態ではLinux環境が使えません。 Windowsのユーザーはエンジニア以外にもたくさんいますので、Linux環境が必須でないからです。 ですので、別途インストールしていく必要があります。 それでは、WindowsにLinux環境である WSL2(Windows Subsystem for Linux 2) をインストールしていきましょう。 インストールは 無料 で行うことができます。
といっても、WSL2のインストール方法はMicrosoftの公式ドキュメントで公開されていますので、この手順に沿っていくだけです。
ここではその手順の中でわかりづらいところを補足しながら、簡単な言葉で改めて説明していきます。
手順 1 - Linux 用 Windows サブシステムを有効にする
1. Windowsのメニューから、 Windows Power Shell を選択します
2. 右クリックで 管理者として実行する を選びます(ウィンドウに「管理者」と表示されます)
3. 下記のコマンドを入力します
dism.exe /online /enable-feature /featurename:Microsoft-Windows-Subsystem-Linux /all /norestart
手順 2 - WSL 2 に更新する
WSLにはバージョン1と2があります。 どちらもLinux環境ですが、WSL1だと上記のLinux環境が100%構築できません。 ですので、WSL2にバージョンを変更する必要があります。
WSL2はWindows 10 May 2020 Updateから正式に利用できるので、バージョンを確認しましょう。
「Windows + R」で「ファイル名を指定して実行」→"winver"と入力→「OK」を押下
表示されたビルドが「18362」以上ならOKです!
ビルド情報が古かったら、Windows Updateで最新にアップデートしましょう。
手順 3: 仮想マシンの機能を有効にする
手順1と同じく、管理者で開いたPowerShellで下記コマンドを実行します。
dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all /norestart
コマンド実行後、Windowsを再起動します。
手順 4 - Linux カーネル更新プログラム パッケージをダウンロードする
リンクにある「WSL2 Linux カーネル更新プログラム パッケージ」をダウンロードして、実行するだけです。
手順 5 - WSL 2 を既定のバージョンとして設定する
このままWSLを利用すると「バージョン1」になってしまうので、デフォルトを「バージョン2」に変更しましょう。 PowerShellで下記コマンドを実行します。
wsl --set-default-version 2
手順 6 - 選択した Linux ディストリビューションをインストールする
実はLinuxといってもいろいろな種類があります。 有名なところだと、
- Red Hat系(CentOSなど)
- Debian系(Ubuntuなど)
- Arch Linux
などがあります。 この手順では、 どれを選びますか? っていうことですね。 こだわりがなければ Ubuntu がオススメです。
UbuntuはLTS(Long Term Support)版といって、サポート期間の長いバージョンがリリースされています。 普通のUbuntuはサポート期間が最低数か月なのに対して、LTS版は最低5年のサポートが保証されます。
Microsoft StoreからUbuntu 20.04 LTSをインストールしましょう。
インストールが終わったら「起動」ボタンを押します。
起動するとBash(バッシュ、ビーエーシェル)と呼ばれるPowerShellやコマンドプロンプトのようなターミナルが起動されます。
- 最初に「Installing, this may take a few minutes...」と表示されるので、しばらく待ちましょう
- 「Enter new UNIX username」と表示されるので、好きなユーザー名を入力しましょう(半角英数字)
- 「New password」と表示されるので、ログインパスワードを入力しましょう。(入力しても画面上には何も表示されません)
- 「Retype new password」と表示されるので、同じパスワードを入力しましょう。(入力しても画面上には何も表示されません)
これで準備OKです。
ここでBashを閉じて、PowerShellで下記コマンドを実行してしましょう。(管理者でなくてもOK)
wsl -l -v
図のようにUbuntu-20.04が「VERSION 2」で「Running」していればOKです。
まとめ
いかがだったでしょうか? 特に難しいところはなかったかと思います。 これでMacと同じプログラミング環境がWindowsでも使えるようになりました。
このままUbuntuのBashターミナル上で開発環境を構築していくのも十分に可能ですが、もう少し使いやすくすることができます。
次回はWSL2をもっと使いやすくするTipsを紹介していきます!